4月4日

神戸に帰ってきてから

一度も会わないままだった。

松原くん、お疲れさまでした。

Untitled

あたしがライブハウスでちゃんとしたワンマンライブを、初めて開催したのは、
2002年、当時「パインフィールズ」という名前の、松原くんのお店だったのだ。
「月さえも眠る夜」というタイトルのライブ。
そこで来場者にお土産の2曲入りMD「ためいき/氷雨」を無料配布したんだった。

今までそんなことずっと忘れていたのに、

あの日、ライブが終わって最後に精算したとき、
他愛もない内容の会話をしたときの、
その松原くんが、急に思い出されて、

斜めにちょっと顔を傾けて、あたしのほうを見たときの、
髪の毛が顔にかかった、あの感じを、

今さら思い出すのだ。

今までそんなことずっと忘れていたのに。

あの日無料配布したデモテープの2曲は、メジャーからCDを出せたよ。

1曲はデビューシングルになったよ。
もう1曲はメジャー最後のシングルのカップリング曲で。
くしくも、メジャーの最初と最後になった。

Photo

ねぇ、松原くん。

いまあたしが音楽の神さまをそばに感じて、その存在を信じていることを話したら、
貴方はどんな顔で応えてくれただろうか。

image

ねぇ、松原くん、

また4月がきたら、
あたしはカート・コバーンじゃなくて、
松原くんを思い出すことにするね。